蔵六ブログ

2021.10.01

落款印とは? 

落款印(らっかんいん)は、
書や日本画や南画などの作品完成に際し作者がその証明として捺印する印鑑を指します。

その中で「姓名印(氏名印)」のみで押印するときは「姓と名」の印、白文(文字部分を刻し押印時に文字が白く浮き出る印)を押印するのが落款印の基本です。

刻に当たり、印面全体の「篆刻」としての、そして「刻者感覚」としての布字=印面への配字等々の調整のため印稿=印字原稿の最後に「印」、「之印」の文字を追加刻することもあります。

「落款」は、「落成款識(らくせいかんし)」の略で、作品を作成した作家=刻者の署名・押印をあらわし、落款の要所(多くは作品左下部)に押印する「落款印」はその個所への「押印」を指します。

落款印には、主として「白印(白文)」「朱印(朱文)」の二印があり、押印が印一つのときは「白印」「朱印」どちらを押印しても可。
二つ押すときは、「名前」の押印には「白印」を、「雅号」には「朱印」を、白印を上に朱印をその下に2つの落款印を押印します。

落款印素材の多くは中国産の自然石で「印材」と表現されます。
そしてこの「印材」には多くの石種があり、篆刻印材としての基本である品質の程度に加え、実用性、美観的価値、希少性等々によりとても巾広い価格帯を持ちます。

落款印を含み篆刻の印は、中国古字「篆書体」が主として用いられ、そして「篆書体」にはいろいろな基本字形≒字体があります。
趣や刻者、刻の方向により金文なども用いられることがあります。
篆書体のない「ひらがな」「カタカナ」などは刻者のレベルや感性に基づき印面に配字される「篆書体に準じる字形」にて刻されます。

付字 : 作品製作にかかる刻者感性により印面に配置される「文字」のバランス等々をまとめる作業を言い、これら全体を「印稿」と言います。

「かな」や「カタカナ」ではなく漢字であっても字体の中には「篆書体」が存在しない文字もあります。
この場合は刻者感性によりその文字の篆書体に相当する字形が布字され刻されます。

コメント

コメントフォーム

To top